本人が怖ければなんだってホラー

数日、数週間前から台所の排水溝がカタカタと妙な音をたてている。
真夜中過ぎにそんな音を確認しようものなら、真っ先に彼奴らの悪行ではないかと不安と恐怖が入り乱れます。

私、生き物の中で一番と言って良いほど鼠が怖い*1のです。
はっきりとした理由は分からないのですけれども、私の勝手な憶測では前世の因縁か、遺伝子レベルでドラえもんを愛していることによるもの、のどちらかだと思っています。

排水溝で仔鼠達がごそごそと何かしらのいたずらをはたらいているのだとしたら、すぐさまここを引き払って逃げ出さなければ、ああこれは大変。
成敗するのもこわいし、悲しいけれど尻尾を巻いて逃げますよ、逃げますとも。
と、そんな弱気な日々を送っていたここ数日。
今日も昼間からカタカタが聞こえる。
知らんぷりを決め込んで、私は今ブランケットに包まって昼寝の真っ最中、ということにした。
夜十一時、明日の弁当の仕度をしていたら再びカタカタが聞こえる。
今回はそういうわけにもいかない。
なぜなら私は今現場にいる。
現場検証とやらの意味を深く理解しました。机上でいくら腕をこまねいていても見えないことが現場には転がっているのです。
排水溝には常に水が満ち満ちてある、ということに気が付いた。
あれ、確か鼠は水が怖いのではなかったかしら、よく水責めとかしますもんねえ、夕焼けの詩でも私見かけましたけど*2と閃き、勇気を出して排水溝の蓋を開ける。
鼠はきっと水のない奥のほうで何か悪さをしていて、その影響がこんなところまできているに違いない、人間がここにいますよと知らしめてちょっぴり脅かせばきっともう戻って来やしまい。ははーん。


勝ち誇った気分で排水溝の蓋を開け、受け皿的なあのザルみたいなのを外してみると、ああなるほど中のパイプの蓋(というのでしょうか、パイプをぱかっと覆っているあれ、分かりますか)がズレている。
そういえばこの前、水周りの大掃除をしたのでした。
落ち着いてきちっと嵌めれば何のことはない、しっかり収まるではないですか。
やだな、私ってば慌てん坊。
鼠、疑ってごめん。

*1:ミッキーマウスに関してを訊かれれば、あれは二足歩行であるが故、へいちゃらです。我が家にあった本では捨て猫に牛乳を与えてますから、彼。

*2:

夕焼けの詩―三丁目の夕日 (1) (ビッグコミックス)

夕焼けの詩―三丁目の夕日 (1) (ビッグコミックス)

言わずと知れた名作。何巻だったか定かではないけれど、サブちゃんが可愛がっていたチュウ公がタバコ屋のキンさんに水責めで殺られてしまう。鼠はこわいけれどこれはこれでちょっと切ない。