恋人、いっそ婚姻関係

読書と水分摂取にとても積極的な一日だった。
本を読んでいると姿勢がどうにもこうにも収まりがつかなくなる時間がやってくるのが常でして、寝そべってみたり、クッションを抱いてみたり、胡坐をかいてみたりあれこれ試したりする。
そこで、ソファに腰掛けたまま、リビングに据え置いてあるガラステーブルの淵っぺりに足をちょこんと乗っけるとあらまあよい具合、というわけでしばらくその姿勢で本を読む。
ぺらぺらと頁を繰りながら、ふと気になった。

私以外の人がこれをしたら嫌だなあ。
夫のお友達がこんなことをした日には、むこうずねを禅寺のお坊さんが持っているあの長い棒切れでぺしゃりとやってやりたい。
私の女の子のお友達だったら、というか私のお友達はこんなことはしない、でもしたらショックだ。
じゃあ、夫がしたらどうだろう。
それもやっぱり嫌だ。ぺしゃりだ。


ううむ。
ということは、ですよ。
このガラステーブルは「私のガラステーブル」ということに他ならないのではないかしら。
私だけが許された特別な領域があるのなら、それは完全に所有。というか専有。
許しているのは私に他ならないけれど、でもそういうことの入り口は主観が大切だから別に良い。
ガラステーブルの意見は聞いてみないことには分からないけれど、私の足の裏に伝わるひんやりとした感触がなんとなく私を受け入れているような気がしたのでおそらく彼の意見は「同感」ではなかろうか。




全然関係ないけれど、風があんまりにも強くてカーテンが狂ったようにはためいていたので、これは大変とかなり性急にカーテンを留めるあれ、カーテンをまとめる帯状のもの、を作ったのだけれど小一時間ほどして出来上がった頃には風が止んでいた。
別にいいんだけど。
可愛くできたし。