こわがりのどうでもよすぎる話

とても疲れたけれど充足した日だった今日。
もっと充足しているのは夫。今日、彼はマラソン大会に出場した。
ここまでは、後の人生のための記録。
ここからは、どうでもよすぎる話。


生来、放浪癖があり実家で暮らしていた頃は、徒歩で、自転車で、それはもうあちらこちらそちらへふらふらとお出かけする日々でした。
そんな私、今現在では自動車を運転する作法を習得しましたので、今ではあちらそちらこちらへ車で移動しています。
都合のいいことに私が日頃乗りつけている車は、コンパクトな軽自動車でして小回りきくは、裏道走れるは、どうかすれば獣道だって走れるはで、大変調子に乗って色んなところを廻っています。
そんなある日、いつもに増して調子に乗った昼下がり。
素敵な街に遭遇して、よし将来はここに家を建てよう、と新たな展望が芽生えてとても気分がよくて、ならば周辺を理解しておかねばとくるくると町内を巡回しておったわけです。
海が見える、どこか懐かしい風情の古きよき町。
海が本当の本当に目の前にあり、おやまぁ、海沿いを走れるじゃないのと大発見し、防波堤のようになった道をぷんぷんと走ってゆきました。
「海・・・・・・素敵。私、頑張れる!」みたいな淡いやる気が寒々しく芽生えたりして、要は相当にいい気分で走っていると、目の前の道が左に折れている。
ほんのりと嫌な予感がするものの、日ごろから車に乗る際に心の支えにしている「全ての道はローマに続く」の言葉が脳裏でこだまして(ローマに続くくらいなら私のおうちにもそりゃ着くだろう、というわけ)構うものかと突き進んだのです。
左折と共に両サイドが海になりました。モーセの気分で走ります。おや、鴨だ、とかなんとか言いながら。
言うまでも無く嫌な予感は的中し、両サイドに海を従えた状態で、突き当たってしまいました。バックしかもう術は無いのです。いっそJAFを呼ぼうか、と思ったりもしたけれど、バックに自信が無いという理由でJAFを呼んで良いのだろうかと、良識的な自分が顔を出し、取りもあえず、ゆるゆるとバック走行で進みます。
途中、かなり離れた場所で私を見守る軽トラックがいることに気付き、恥ずかしさで体が二回りほど小さくなったような心地がしました。

結論から言えば、長い時間をかけてではありますが無事お家に帰り着き、こうして呑気に暮らせているのですが、ふと、もしかして私はあすこでころんと転げ落ちて、死んでしまったことにも気付かず、己で捏造した生活を逞しく送っているのではないかしら、と思ってしまったりするのです。
だったら、どうしよう、どうしようもないけど、どうしよう、ひーこわいー、と今夜も歯磨きをしながらこわくなってしまったので、全てを打ち消すためにこうしてブログを書いています。寝なければいけないのに。
あぁ、眠い。