そんなお誕生日とその翌日

最初に言っておくと、私鼻歌が多いのです。
それはそれは多いのです。

ここのところ弱気だのやけぱちだのぐずぐずとだらしないことを言っておりますが、昨日追い討ちをかけるべく出来事がありまして、言ってしまうとせっかく買ったお洋服をどこでだか置いてきてしまったのですね。

帰宅してから気がついて、大慌てで心当たりに電話してみるもどこもかしこも棒読みのアナウンスが営業終了を告げるばかりで、そうこうしている間にも私のお洋服と「S」のチャームが(これを買うことで10%オフになるとのことだった)とさか頭の青年たちの餌食になって、リサイクルショップがそこかしこにある名古屋の街であっさりと現金に換えられてしまっているに違いない。「これどーせ売れねんだし、お前使っちゃえばいんじゃね?」と私のSが連れの女に譲渡され、女も「つーかあーしSじゃねーし」とか言いながらも我が物顔で自分の鞄に、汚い鞄に、中にはお菓子のくずが散乱しているであろう鞄に、ちゃっかりと装備して、夜の街を練り歩いているのを想像して、世も末だーと絶望を目の当たりにすると同時に、とんでもない偏見がむくむくと顔を出して、きっと京都に住んでた頃だったら優しい京都人がどこかに届けてくれてたのに、京都に住んでればよかったんだ、とかなり遡った後悔までしてしまいました。

とりあえず落ち着いて、明日もう一度電話をしてみようねと真っ当なことを言って床に就いた夫を尻目に、記憶の新しいうちに今日の行動を洗い出すから、と夜更かしを決め込んで書き物をしていても思い起こされるのは夫の話をぼやぼや聞いて上の空で考え事をしていたことばかり。
膝を抱えて口から漏れ出るのは、中島みゆきのかもめの歌とアンパンマンマーチ*1
うつろな目つきでぽそぽそと歌う。



さて本日。
心当たりをあちこち電話してみたところ、駐車場の管理室にて保護されていたことがわかりました。
そりゃまあ、現金なもので、優しい人がいるのねー、名古屋って素敵さー、電話のおじ様もはきはきと親切なことー、ふふふ、と口角が上がり、ニヤニヤしているところに玄関チャイムが鳴りお届け物。荷物ひとつ受け取るにしても配達のお兄さんに笑顔を安売りできちゃうし、*2荷物を開ければお姉ちゃんから3人分くらいのプレゼントが入ってるし、立て続けに荷物が届いたと思ったら今度は地元のお友達からで、かわいいプレゼントとお手紙と、誕生日全書*3の10月6日のページのコピーまで入ってるし、何でみんなこんなに優しいのー、そうそう、たくさんもらったメール返さなくては、と携帯をこちこちしておれば、みんなからのメールがぬくぬくとまた嬉しくて、そのあとご飯支度にかかった際に口ずさんだのは we are the world

自分のレパートリーにそんな歌があったんだ、と冷静に驚き。

あ、あと Hey jude も歌った。

*1:アンパンマンマーチは私にとって、もっとも危険。歌の冒頭そのまま、自分の存在意義を疑っている場合にどうやら歌われる。かもめの歌は言わずもがな、そのままです。

*2:でも実際とっても優しい人だった。再配達の電話をしたことにさえ恐縮してくださって、手渡す際に「大阪からです」と一言。なんか、なんか嬉しい。

*3:

誕生日全書

誕生日全書

ほぼ褒め言葉しか書いていないスタイルなので、全面的に信用する方向。上品で、知的で、フレンドリーで、責任感が強くて、優美で、強い精神力の持ち主なのです。私。